ドレミファ・・・
ツェーデー・・
あれ、どうしたの?
音の名前を覚えてくるように言われたんだけど、よくわからないの。
ドレミならまだしもツェーとかゲーとか、聞いたことないよ・・・
なるほどね。
吹奏楽にはいくつかの種類の音名が使われたりするから混乱するよね。
なんで色々な音名を使うようになっているの?
じゃあそれも含めて説明していくね。
- 吹奏楽部に入ったけど、音名がよくわからない
- 初めて吹奏楽部の顧問になったけど、吹奏楽特有の音名の使い方がよくわからない
- 楽器は吹き続けてきたけど、音名に対する知識はあまり自信がない
- なんとなく音名を使ってきたけどもう一度確認したい
この記事を読むと
- イタリア語、ドイツ語、英語、日本語の音名がわかるようになります
- 吹奏楽で使われている音名の使い分けがわかるようになります
音名って何? どういう種類のものが使われている?
音名(おんめい)とはその名の通り「音の名前」音の呼び名のことをいいます。
音には音の高さごとに1つずつ名前がつけられています。この名前のことを音名といいます。
うん、ドレミなら聞いたことあるね
音楽の授業なんかでも習ったよね
でも吹奏楽で使うのはドレミだけじゃないことが多いんだ
そもそもドレミファソラシドって何語か、知っていますか?
実はイタリア語なんです!
日本でもよく使われているので馴染み深いですが、イタリア語だったんですね。
この他にもドイツ語、英語、日本語の音名が吹奏楽や日本の音楽シーンで使われていることが多いです。
それではまず一覧表でみてみよう!
こうやって一気に出てくるとちょっと難しそう・・・
少しずつ見ていけば大丈夫!
1つずつ見ていこう!
イタリア語の音名
イタリア語の音名は先ほど出たとおりドレミファソラシドです。
日本人には一番馴染みの深い音名かもしれませんね。
日本で使われているときはこのようにカタカナで書かれていることが多いですが、そもそもはイタリア語なので本当は
ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ | ド |
Do | Re | Mi | Fa | Sol | La | Si | Do |
というように表記されます。
幹音
いままで見てきた音名は♯も♭もついていない音、ピアノの鍵盤でいうと白い鍵盤の音です。
この音のことを幹音(かんおん)といいます。
♯のついたイタリア音名
♯がついて音が半音高くされた音のイタリア音名は次のようになります。
Do diesis | Re diesis | Mi diesis | Fa diesis | Sol diesis | La diesis | Si diesis | Do diesis |
となります。
diesisは「ディエージス」と読むので、それぞれの読み方は
ド ディエージス | レ ディエージス | ミ ディエージス | ファ ディエージス | ソ ディエージス | ラ ディエージス | シ ディエージス | ド ディエージス |
となっています。
なんだかドレミまではよく聞く呼び方なのに♯がついたら急に難しくなった・・・
めちゃくちゃ読みづらいよね
そのせいか日本ではあまり使われていないんだ
ということで日本では
ド シャープ | レ シャープ | ミ シャープ | ファ シャープ | ソ シャープ | ラ シャープ | シ シャープ | ド シャープ |
と呼ばれることがほとんどです。
♭のついたイタリア語音名
♭がついて半音低くされた音は次のように表されます。
Do bemolle | Re bemolle | Mi bemolle | Fa bemolle | Sol bemolle | La bemolle | Si bemolle | Do bemolle |
bemolleの読み方は「ベモッレ」なので
ド ベモッレ | レ ベモッレ | ミ ベモッレ | ファ ベモッレ | ソ ベモッレ | ラ ベモッレ | シ ベモッレ | ド ベモッレ |
これも読みづらい・・・
そうだね
だから次のように使われることが多いよ
ド フラット | レ フラット | ミ フラット | ファ フラット | ソ フラット | ラ フラット | シ フラット | ド フラット |
こちらの呼び方のほうがだいぶ馴染みがありますね。
日本語の音名
日本語による音名は次のようになります。
幹音の日本語音名
このように「いろは にほえと ちりぬるを〜」といった《いろは歌》をもちいた音名になっています。
ドレミが馴染み深かったけどちゃんと日本語の音名も別にあるんだね
小学校とかで習うこともあるね
最初の音はイロハのイじゃなくて、ハからのスタートなんだね
英語音名なんかもAからじゃなくてCからだしね
おもしろいよね
♯のついた日本語音名
♯がついて半音高くされた音の日本語音名は
幹音の音名の前に嬰(えい)という字がつけられるので、下のようになります。
嬰ハ | 嬰ニ | 嬰ホ | 嬰ヘ | 嬰ト | 嬰イ | 嬰ロ | 嬰ハ |
えいは | えいに | えいほ | えいへ | えいと | えいい | えいろ | えいは |
難しくて普段はあまり使わない漢字・・・
♭のついた音の日本語音名
♭がついて半音低くされた音の日本語音名は
幹音の音名の前に変(へん)という字がつけられて、下のようになります。
変ハ | 変ニ | 変ホ | 変へ | 変ト | 変イ | 変ロ | 変ハ |
へんは | へんに | へんほ | へんへ | へんと | へんい | へんろ | へんは |
こちらはわかりやすい字で良かった
英語の音名
次に英語の音名について解説します。
幹音の英語音名
上のように英語の音名についてはアルファベットが用いられます。
読み方も同じでアルファベットの読み方で読みます。
C | D | E | F | G | A | B | C |
シー | ディー | イー | エフ | ジー | エー | ビー | シー |
♯のついた英語音名
♯がついて半音高くされた英語の音名と読み方は次のようになります。
C sharp | D sharp | E sharp | F sharp | G sharp | A sharp | B sharp | C sharp |
シー シャープ | ディー シャープ | イー シャープ | エフ シャープ | ジー シャープ | エー シャープ | ビー シャープ | シー シャープ |
ふだんよく使われている「シャープ」という呼び名は英語音名からきているんだね
そうだね
つまり「レ シャープ」という呼び方などは
イタリア語音名+英語音名
ということになるね
♭のついた英語音名
♭がついて半音低くされた音の英語音名と読み方は次のようになります。
C flat | D flat | E flat | F flat | G flat | A flat | B flat | C flat |
シー フラット | ディー フラット | イー フラット | エフ フラット | ジー フラット | エー フラット | ビー フラット | シー フラット |
こちらのフラットという呼び方もかなり馴染みがあるね
そうだね
日本では♯や♭をシャープ、フラットと呼ぶことがだいぶ一般化されているよね
ドイツ語の音名
最後に紹介するのはドイツ語音名です。
ドイツ語音名は吹奏楽に限らず器楽の合奏などでよく使用されますが、少し覚えづらいので注意が必要です。
幹音のドイツ語音名
幹音のドイツ語音名は上の通り、使用されている文字は英語音名と変わらないように見えますが、ドイツ語アルファベットになり読み方が異なります。
C | D | E | F | G | A | H | C |
ツェー | デー | エー | エフ | ゲー | アー | ハー | ツェー |
文字で書いたときはほとんど英語音名と同じなんだね
そうだね
とくに口語で言うときに区別して使われることが多いかな
♯のついた音のドイツ語音名
♯がついて半音高くされた音のドイツ語音名は
幹音の音名の後にisという文字が付けられて発音されるので、以下のようになります。
Cis | Dis | Eis | Fis | Gis | Ais | His | Cis |
ツィス | ディス | エイス | フィス | ギス | アイス | ヒス | ツィス |
isという文字が付くことによって幹音の音名自体が変化していくというのがドイツ音名ならではだね
♭のついた音のドイツ語音名
♭がついて半音低くされた音のドイツ語音名は
幹音の音名の後にesという文字が付けられて発音されますが、省略される文字などが出てくるため、多少不規則になります。
Ces | Des | Es | Fes | Ges | As | B | Ces |
ツェス | デス | エス | フェス | ゲス | アス | ベー | ツェス |
うわぁ、ドイツ語のフラット系の音名は本当に不規則に変化するんだね
そうだね
こればっかりは覚えてしまったほうが早いかもね
吹奏楽でのいろいろな言語による音名の使い分け
なんでいくつもの言語の音名を使うの?
ドレミだけじゃだめなの?
団体にもよると思うんだけど、混乱を避けるためにいくつかの言語の音名を使い分けることが多いみたいだね。
どのように使っているのか見てみよう。
- イタリア語音名
-
主に階名をあらわしたり、移調楽器の記譜音を表す際に使用されることが多い。
例:クラリネットのミの音 など
- 日本語音名
-
主に曲名などで調性をあらわすことが多い
例:交響曲代5番ハ短調 トッカータとフーガ ニ短調 など
- 英語音名
-
ポピュラー音楽の世界で音名をあらわしたり、コードネームなどで使われることが多い
例:ギターのG(ジー)の音 Fマイナーのコード G7のコード など
- ドイツ語音名
-
様々な移調楽器が存在する合奏などで、共通の音を表す実音の音名として使われることが多い
なるほど
それぞれこういう役割を持って使い分けられているんだね
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色々な言葉の音名って何?吹奏楽でよく使う4ヶ国語の音名を紹介!のまとめ
ここまで4つの言葉による音名を紹介してきましたが、特によく使われるのはイタリア語音名とドイツ語音名です。
イタリア語音名は皆さんだいたい知っていると思うので、ドイツ語音名だけ覚えればまずは大丈夫!
吹奏楽はいろいろな調性の楽器がいるから音名はしっかりと覚えて正確に音を伝えられるようにしたいですね。
しっかり覚えて楽しい吹奏楽ライフを送りましょう!
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