吹奏楽のコンクールっていろいろな大会があるものなの?
今はいろいろ増えてきたね。
でも昔からあって、全国的に行われているコンクールは全日本吹奏楽コンクールだね。
一般的に吹奏楽のコンクールっていえば全日本吹奏楽コンクールのことを指すことが多いんだね。
どんなコンクールなの?
ではこの記事でくわしく見ていこう!
全日本吹奏楽コンクールは現在、日本で行われている吹奏楽コンクールの中で一番規模の大きい、アマチュア対象のコンクールです。
その歴史は1940年(昭和15年)から続いており、主催者である朝日新聞によって創設されました。
太平洋戦争による中断やコロナ禍によって中止されることもありましたが、現在まで少しづつ形を変えながら開催され続けています。
また、いろいろな年代や人数による編成で出場することができる大会で、多くの団体が出場しています。
ここではそんな全日本吹奏楽コンクールについてくわしく調べていきます。
- コンクールというものがどういうものなのかを知りたい
- 全日本吹奏楽コンクールの仕組みを知りたい
- A編成?B編成?編成の違いについて知りたい
- 所属する団体ごとによる部門の違いを知りたい
それでは行ってみよう!
全日本吹奏楽コンクールとは?
全日本吹奏楽コンクールとはどんなコンクールなのか?
特徴をあげてみると
- 長い歴史がある(2024年現在で70回以上開催! )
- 参加団体が多い(全国大会は4つの部門でおこなわれ、地方大会も含めると世界最大級⁉)
- 小学生から大人まで、幅広い世代が参加できるような部門が設けられている。
- 初級者から世界に認められるような高レベルまで、様々なレベルで参加できる。
ほかにも魅力たくさんの全日本吹奏楽コンクールですが、この記事では主に全日本吹奏楽コンクールの仕組みについてくわしく掘り下げていこうと思います。
一般的に「全日本吹奏楽コンクール」という呼び方をする場合、
- 全日本吹奏楽連盟が主催するコンクールの総称で予選や県大会、支部大会を含む
- 全日本吹奏楽連盟が主催するコンクールの全国大会のこと
という2つの意味合いのどちらかを示していることが多いです。
この記事の中でも2つの意味を使い分けています。
全日本吹奏楽コンクールの規模
まずは全日本吹奏楽コンクールの予選や県大会などを含めると吹奏楽コンクールとしては日本で最大規模の全日本吹奏楽コンクールですが、実際の規模としてはどのくらいの多さなのか具体的なデータを調べてみました。
コンクール参加団体数
中学校 | 高等学校 | 大学 | 職場・一般 (大人の部) | 合計 | |||||||||
A | B | 計 | A | B | 計 | A | B | 計 | A | B | 計 | ||
2,230 | 4,183 | 6,413 | 1,197 | 1,634 | 2,831 | 133 | 16 | 149 | 425 | 43 | 468 | 9,861 |
上記は実際に2023年度の吹奏楽コンクールに参加した団体の数です。
各部門の団体数の多さもそうですが、一つの大会で中学生(場合によっては小学生)から大人まで同じ大会に参加しているというのも、かなり特徴的と言えるでしょう。
このことからも全日本吹奏楽コンクールの規模の大きさがうかがえると思います。
ちなみに夏の高校野球でおなじみの全国高等学校野球選手権大会の2023年度参加校数は3,486校
年末から年明けにかけて行われる全国高校サッカー選手権大会の出場校は3,842校と言われています。
全日本吹奏楽コンクールのしくみとは?
ここからは全日本吹奏楽コンクールのシステム、仕組みについて紹介していきます。
上にも挙げたように、全日本吹奏楽コンクールは同一の大会にさまざまな年代が参加できる数少ない大会ですが、様々な年代が参加できるといっても全ての年代や編成が同じ条件で競い合うわけではなく、それぞれの部門に分かれて審査を受けることになります。
分類としては
年代・所属ごとの部門
と
人数の違いによる編成
によって分けられます。
カテゴリ | 分け方 | 具体例 |
部門 | 年代や所属などによって分けられる | 中学校 高等学校 大学 職場・一般 など |
編成 | 人数によって分けられる | A編成 B編成 大編成 小編成 |
この2つの分類の組み合わせにより、出場するコンクールの部門と編成が決まってきます。
これらは 中学校A編成 や 高等学校B編成 また、一般A編成 などと表されます。
それではそれぞれのカテゴリについてくわしく見ていきましょう。
全日本吹奏楽コンクールの部門とは
全日本吹奏楽コンクールは多様な年代も出場できることから、各年代や所属に合わせた部門ごとにコンクールが行われます。
部門分けとしては次のようになります。
小学校の部 |
中学校の部(中学生の部) |
高等学校の部 |
大学の部 |
一般・職場の部 |
各部門は吹奏楽連盟に加盟する際にメンバーの資格が定められていて、その分類ごとにコンクールが開催されています。
各部門の構成員の資格は次のとおりです。
小学校の部
同一小学校に在籍、または校内外で活動する単独校・複数校混合の団体に在籍している小学生とする。
全日本吹奏楽連盟 加盟規定より
小学校の部はコンクールの全国大会は開催されていませんが、全日本小学生バンドフェスティバルとして開催されています。
各支部大会まではコンクールとして小学生部門を設置して開催されている支部が多いようです。
中学校の部(中学生の部)
同一中学校に在籍している生徒とする。(同一経営の学園内小学校児童は認める。)
全日本吹奏楽連盟 加盟規定より
2024年からは部活動の地域移行化や少子化に対応する形で「中学校の部」という名称から「中学生の部」という名称に変更となり、同一中学校からだけでなく他校との合同バンドや地域バンドなども参加が認められるなどかなり規制が緩和されました。
高等学校の部
同一高等学校に在籍している生徒とする。(同一経営の学園内小学校児童・中学校生徒は認める。)
全日本吹奏楽連盟 加盟規定より
大学の部
同一の大学に在籍している学生とする。
全日本吹奏楽連盟 加盟規定より
職場の部
当該勤務先等の承認を得ている者とする。ただし職業演奏家は認めない。
全日本吹奏楽連盟 加盟規定より
一般の部
自由とする。ただし、職業演奏家は認めない。
全日本吹奏楽連盟 加盟規定より
2009年度からコンクールでは職場の部と一般の部を統合し「職場・一般の部」として同一部門で開催されています。
全日本吹奏楽コンクールの編成について
一つの団体に参加している人数によって分類されているのが編成です。
編成についても参加規定が定められており、A編成と呼ばれる大編成の人数規定は次のようになっています。
中学生の部 | 50人以内 |
高等学校の部 | 55人以内 |
大学の部 | 55人以内 |
職場・一般の部 | 65人以内 |
このA編成という編成は
それに対して予選、県大会、支部大会レベルでは全国大会に繋がらない部門として、より小編成の団体によるコンクールが行われている事がほとんどで「B部門」や「B編成」「小編成」などと呼ばれています。
一番多い例は30人までの編成で行われる大会で、ほとんどの県や支部で行われています。
だいたい支部大会が最上位大会ですが、なかには東日本大会という大会も存在します。
また、各県や支部独自に他の人数構成による部門をもうけている地域もあります。
A編成以外の部門を設けている県の一例 すべて自由曲のみ演奏する部門 | |
東京都 | B組 35名以内(予選まで) C組 20名以内(予選まで) 東日本組 30名以内(東日本大会まで) |
千葉県 | B部門 30名以下(東日本大会まで) C部門 人数無制限(予選まで) ジュニア部門 人数無制限(予選まで) |
埼玉県 | Bの部 30名(東日本大会まで) Cの部 20名以内(予選まで) Dの部 人数無制限(予選まで) |
大阪府 | B組 55名以内(地区大会まで) 小編成 30名以内(関西大会まで) |
全日本吹奏楽コンクールのおこなわれる会場ってどこ?
中学校の部、高等学校の部の全日本吹奏楽コンクール全国大会の会場は、長くのあいだ東京都杉並区にあった
「普門館」でおこなわれてきました。
5000人をほこる収容人数や、独特の黒いステージ、特徴的な外観もあって吹奏楽の聖地として人気を博し、
「吹奏楽の甲子園」と呼ばれていました。
1972年、そして1977年から2011年まで35年あまりにわたって使用されてきましたが、耐震基準に達していないため
使用できなくなってしまいました。
その後、全国大会の会場として使用されているのは愛知県の「名古屋国際会議場センチュリーホール」です。
2005年にはじめて全国大会に使用されたあと、2012年から2023年まで使用されています。
その「名古屋国際会議場センチュリーホール」も改修工事に入るため、2024年度の全日本吹奏楽コンクール全国大会は
栃木県にある「宇都宮市文化会館」で行われる予定です。
一方で大学の部、および職場・一般の部の全国大会は現在、固定した会場で開催されていません。
近年の開催会場は以下のとおりです。
2018年(平成30年) | 第66回大会 | 兵庫県 あましんアルカイックホール |
2019年(令和元年) | 第67回大会 | 青森県 リンクステーションホール青森 |
2020年(令和2年) | 第68回大会 | 新型コロナウイルス拡大防止のため開催中止 |
2021年(令和3年) | 第69回大会 | 香川県 レグザムホール(香川県県民ホール) |
2022年(令和4年) | 第70回大会 | 福岡県 北九州ソレイユホール |
2023年(令和5年) | 第71回大会 | 栃木県 宇都宮市文化会館 |
全日本吹奏楽コンクールの全国大会に進むまでの道のりは?
非常に多くの団体が参加する全日本吹奏楽コンクールの中で、全国大会まで進めることはかなり狭き門になります。
全国大会まで進むことのできるA編成のコンクールでは一般的には下の図のように大会が進んでいきます。
都道府県大会に出場するための地区ごとの予選大会
都道府県によっては予選が開催されず、いきなり県大会の地域もある
各都道府県で行われる大会。
多くは支部大会への代表選考も兼ねるが、東京都大会、北海道大会は支部大会として扱われている
北海道支部、東北支部、東関東支部、西関東支部、東京都支部、東海支部、北陸支部、関西支部、中国支部、四国支部、九州支部の11支部による各支部の大会。
各県の代表が集まり審査を受ける。上位数団体は全国大会へと推薦される。
各支部から推薦された団体のみが演奏でき、評価を受ける。
中学校(中学生)の部、高校の部は30団体ずつ、大学の部は15団体、職場・一般の部は26団体のみ演奏できる。
全国の出演団体数からすると非常に狭き門となっている。
全日本吹奏楽コンクールの各支部に含まれる県はどうなっているの?
各県が所属している支部は下の表のようになっています。
北海道支部 (単独で1支部として扱われている) | 函館地区 日胆地区 札幌地区 空知地区 旭川地区 名寄地区 北見地区 釧路地区 帯広地区 留萌地区 稚内地区 |
東北支部 | 宮城県 岩手県 青森県 秋田県 山形県 福島県 |
東関東支部 | 栃木県 茨城県 千葉県 神奈川県 |
西関東支部 | 新潟県 群馬県 山梨県 埼玉県 |
東京都支部 (単独で1支部として扱われている) | 都・小学校 都・中学校 都・高校 都・大学 都・職場 都・一般 |
東海支部 | 愛知県 三重県 岐阜県 長野県 静岡県 |
北陸支部 | 福井県 石川県 富山県 |
関西支部 | 大阪府 京都府 兵庫県 滋賀県 奈良県 和歌山県 |
中国支部 | 広島県 岡山県 山口県 鳥取県 島根県 |
四国支部 | 香川県 高知県 愛媛県 徳島県 |
九州支部 | 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 鹿児島県 宮崎県 大分県 沖縄県 |
これだけ多くの地域から選抜された全国大会だからこそ、世界有数のレベルの高い演奏が繰り広げられるのですね。
全日本吹奏楽コンクールってどんな大会?のまとめ
世界有数の演奏レベルと参加数をほこる全日本吹奏楽コンクールですが、このような仕組みで行われています。
実際に自分がコンクールに参加している人も、身近な人が参加している人、そして演奏を聞いて楽しんでいる人もこのような背景を知っていると、より演奏が楽しめるのではないでしょうか。
コンクールが皆さんにとって有意義なものになるといいですね、
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