この音がベーだからえーっと…
あれ、どうしたの?
合奏の時に言われる実音が私の楽器だとなんの音だかよくわからないの…
移調楽器にとってはややこしいところだよね
以前こちらの記事で移調楽器について説明しました。
はじめて移調楽器にふれる人にとっては楽器の音(記譜音)と実音という考え方を理解するのにもひと苦労ですよね。
この記事では吹奏楽でよく使われるB♭管、E♭管、F管という3つの調性の楽器に合わせた実音をわかりやすく紹介していきます。
- クラリネットやサックス、トランペットやホルンなど移調楽器の担当になって間もない人
- 吹奏楽の指導や練習などでスコアを見る機会が多いけど、スコアに書いてある音符の関係性がよくわからない人
この記事を読むと
- クラリネットやサックス、トランペットやホルンなど移調楽器の譜面の音と実音の関係がわかる
- 移調楽器のドレミの音が、実音のドイツ音名でなんと呼ぶのかがひと目でわかる
- 移調楽器の記譜音と実音の関係だけではなく、オクターブの高さもわかるようになる
- 楽器の構造としては移調楽器だけど、パートの譜面は実音で書かれている楽器がわかる
記譜音、実音という言葉がよくわからないときはこちらの記事をごらんください。
それではさっそくいろいろな調と実音の関係をみていこう!
B♭管の楽器と実音の関係
ここからは各調の楽器について見ていきましょう。
B♭管(べーかんと呼ばれることが多い)の楽器には以下のようなものがよく使われています。
- B♭クラリネット
- B♭トランペット
- ソプラノ サクソフォン
これらの楽器は音符に記された音よりも長2度低い音が出ます。
つまりB♭管の楽器のパート譜に
このように書かれた音符をB♭管の楽器で演奏すると
実際にはこの音が実音として出てくるということです。
このとき演奏しているのはin B♭の譜面(B♭管に合わせて書かれている)では
ドレミファソラシド
と記されていますが(記譜)
in Cの譜面(実音で書かれている)では
シ♭ドレミ♭ファソラシ♭(実音)
の音が出てくることになります。
つまりin B♭の譜面の実音は英語音名だと
という読み方になるということです。
また、移調楽器としてB♭管であるだけでなく、オクターブも変更されて表記される楽器もあります。
こちらの楽器はB♭管であることに加えて、移高楽器としてオクターブも1オクターブ高く譜面に表記されます。
- バスクラリネット
- テナー サクソフォン
- コントラファゴット
上記の楽器はこちらの譜面を演奏すると
このような実音が演奏されます。
オクターブは違っても出てくる音は同じなので、実音の音名も他のB♭管と同じようになります。
実音の呼び方としてよく使われるドイツ音名だと次のようになります。
吹奏楽だとB♭管がもっともよく使われているよね
そうだね
まずはB♭管の読み方をしっかりと覚えておこう!
E♭管の楽器と実音の関係
E♭管(エスかんと呼ばれることが多い)の楽器には次のような楽器がよく使われています。
- E♭クラリネット(エス クラリネット)
- E♭アルトクラリネット
- E♭アルトサクソフォン
これらの楽器は音符に記された音よりも短3度高い音、もしくは長6度低い音が出ます。
つまり
このように書かれた音符をE♭管の楽器で演奏すると
もしくは
この音が実音として鳴っているということです。
また、B♭管同様で移調楽器としてE♭管であるだけでなく、移高楽器としてオクターブが異なる表記をされる楽器もあります。
- バリトン サクソフォン
- コントラアルトクラリネット
これらの楽器はパート譜上はト音記号の次のような譜面を演奏しますが
実際に出てくる音はアルトサックスやアルトクラリネットよりもオクターブ低い次の音になります。
移調されている楽器も移高されている楽器も、どちらの場合もin E♭の譜面上ではト音記号で
ドレミファソラシド
と表記されますが、実音のドイツ語音名は次のようになります。
E♭管の音符の位置はヘ音記号と一緒なんだね
そうだね
最初はヘ音記号の位置+調号を変える
という読み方で覚えられそうだね
F管の楽器と実音の関係
F管(エフかんと呼ばれることが多い)の楽器には次のような楽器がよく使われています。
- ホルン
- イングリッシュ・ホルン(コールアングレ)
これらの楽器は音を出すと音符に記された音より完全5度低い音が出ます。
つまり
このように書かれた音符をF管の楽器で実際に演奏すると
このような音が実音として出てくるということです。
この実音のドイツ語音名をF管で書かれた譜面にあてはめると次のようになります。
F管はちょっと覚えづらそう…
F管を読むのが苦手な人は多いかもね
慣れてしまうしかないかもしれないね
楽器は他の調性だけど実音表記されている楽器
ここまでは楽器の仕組みとして実音と違う調で作られている楽器に対して、それに合わせて移調された譜面を使用する楽器を取り上げてきましたが、それとはべつに、楽器の構造としては移調楽器であるにも関わらず、譜面は実音で書かれている楽器について見ていきたいと思います。
- トロンボーン
- ユーフォニアム
- チューバ
上記の楽器については楽器の構造としてはB♭管(チューバはE♭管、F管、C管などもあり)ですが、
楽譜の表記としてはヘ音記号に実音で記されることが多い楽器です。
(古い譜面や金管バンドなどでまれにト音記号、in B♭表記で書かれていることもあります)
つまり上記の楽器のパート譜には
このように書き記されており、譜面としては
シ♭ドレミ♭ファソラシ♭
と書かれていますが、
この譜面を上記のトロンボーン、ユーフォニアム、チューバで演奏する際には各楽器の
ドレミファソラシド
として演奏するということです。
今までの移調楽器はパートの譜面が移調してくれていたけど、
この楽器たちは奏者が読み替えているということかぁ
ぼくもよくわかっていない頃にシ♭の音符をドと読んでいたなぁ…
B♭管、E♭管、F管の各移調楽器と実音の関係を解説!ドイツ語音名付きのまとめ
B♭管、E♭管、F管の各調の記譜音と実音について、解説してきました。
最初はややこしかったり分かりづらかったりしますが、合奏や他の楽器と合わせたり練習をしていくと
自分の楽器の音とほかの楽器の音の関係性を知ることは不可欠になってきます。
しっかりと覚えていきましょう!
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